アイスランド・氷の洞窟で光り輝く青の異世界。

アイスランド・氷の洞窟で光り輝く青の異世界。

こんな美しい青色の世界がアイスランドの氷の洞窟では広がっています。本当にこんな景色が見れるのか?私も実際に行くまではそんなふうに思っていましたが、普段は絶対に見ることのできない世界がアイスランドにはありました。

私はアイスランド観光で最も有名な「Guide to Iceland」のツアーを利用したので氷の洞窟の詳細に関して説明します。

氷の洞窟とは?

氷の洞窟とはアイスケーブ(ice cave)とも呼ばれ、その名の通り氷でできた洞窟です。ただの氷ではなく、氷河でできた洞窟になります。この氷の洞窟はアイスランドのヴァトナヨークトル氷河に自然にできた洞窟のことを指します。

氷の洞窟のでき方

先ほどの通り氷の洞窟は誰かが人工的に掘ったものではなく、自然にできたものになります。

夏に氷河が解けた水が冬の間も氷河を侵食していき、洞窟を形成していきます。そのため、天井も、床も、壁も周囲全てを氷河に覆われた洞窟ができます。この洞窟は夏になると溶けてなくなってしまうので、翌年にはもう見れなくなっている、一期一会の出会いとなります。翌年どころか気温や天気によって日々変化するため、翌日には見れなくなっていることもあります。

氷の洞窟が青い理由は?

氷の洞窟の氷河はなぜこんなにもきれいな青色をしているのでしょうか。

その理由は

氷河が長い年月をかけて空気の少ない透明度の高い分厚い氷となっているから

です。

氷河は降り積もった雪がその自重によって押し固められて圧縮されたものです。その圧縮される過程で空気が抜けていきます。家の氷をイメージしてもらえれば分かるかと思いますが、空気が多い氷は空気が光を拡散するので、白っぽく見えます。逆に空気がない氷は透明になります。さらに氷河は通常の氷よりも相当分厚い氷になります。太陽の光が分厚い氷を進んでいくうちに青色以外の光は吸収されてしまい、青色の光のみが氷を透過します。結果として洞窟内から見たときに青色に見えるのです。

氷の洞窟の場所・行き方

氷の洞窟はアイスランドの南部にある、ヴァトナヨークトル氷河にあります。レイキャビクから4時間半、ヴィークから2時間ほどかかるので、ツアーも含めて日帰りで行くのは難しく、宿泊前提になります。

Guide to Icelandの氷の洞窟ツアーの概要

氷の洞窟の観光に関しては個人で行くことはできず、ツアーでのみの参加となります。ツアーとしては大きく2種類で、レイキャビクから他の観光地や宿泊込みのツアーと、各自でレンタカー等を使って氷の洞窟まで行く現地集合タイプがあります。私は前者でアイスランドで最大の観光サイト「Guide to Iceland」からツアーを申し込みました。

私が参加したGuide to Icelandのツアーは2泊3日でアイスランドのゴールデンサークル、南海岸、氷河を探検するツアーです。氷の洞窟は最終日の3日目に訪れました。

始めにガイドの方が受付をしてくれるので、その間に我々はトイレに行きます。

受付が終わるとそれまでの普通のマイクロバスから、専用のスーパージープに乗り換えます。スーパージープはタイヤが非常に大きく、一般の車は通ることのできない道なき道を進んでいきます。

道は始めは土や砂利のある道を進み、次第に氷河が見えてきて氷の上を進むことになります。道中は本当に凹凸が激しくちょっとした落とし穴のような場所を進んだり、池みたいな大きさの水たまりに突っ込んだりと、これだけで一つのアトラクションでした。個人的には結構楽しかったです。だいたい15分ほど乗っていたと思います。

氷の洞窟は毎日姿を変えるので、その日、その時にツアーガイドが最適な場所を探して案内してくれます。この日は小雨が降っているような天気でした。一つ気になったのは、氷河の上に来て一面氷にはなっているのですが、写真で見たような青色の氷は全く見られず、白い氷があるだけでした。少し心配になります。

ジープを停めて降りると自分のハイキングシューズに取り付け式のアイゼンとヘルメットを装着します。ここから氷の洞窟までは20分ほどかけて ヴァトナヨークトル氷河の上をハイクします。氷の上なので、滑る場所もあり、気をつける必要がありますが、お年寄りの方もいたりと、普通に歩くことができれば問題ないと思います。歩き方はガイドの方が教えてくれます。

そしてようやくお目当ての氷の洞窟に到着しました。入り口は人1人がやっとは入れるくらいの大きさでした。横から見ると既に少し青色に見えています。青黒いというのが正しいでしょうか。

そして少し中へ進んでいくとそこには異世界に来たような幻想的な青の世界が広がっていました。周囲は暗く、氷は薄い部のみ外の光が差し込み青く光り輝くので、本当に感動する景色でした。

いくつか複数の氷の洞窟に入りました。ただ、一つの氷の洞窟あたりの時間はかなり短いです。少し写真をとったらすぐに移動してしまいます。写真の設定を色々調整している時間はありません。三脚も使えないので、ISO感度とシャッタースピードをあげてブレないようにしておくのが良いでしょう。

こちらは大きな入り口の氷の洞窟。

また同じ洞窟にも複数のグループが入っているので、写真に夢中になりすぎて自分のグループを見失わないように気をつけましょう。

青く光る氷に近づいて撮るとその幻想的な光がより強調されます。個人的にはこの写真が一番お気に入りです。初めて見た人は一瞬何を撮っているのか分からないけど、でも美しい。そんな写真が好きです。

こちらは氷の洞窟が絶えず。変化していることを示している一枚。水が落ちているのが分かるかと思いますが、これは雨ではありません。氷河が解けてそこかた水滴が落ちているのです。その量は大雨かと思うほどで、水しぶきの音が周囲に響くほどでした。ここも狭いですが、氷の洞窟となっているのですが氷河が解けるスピードが速くいつ崩壊してもおかしくない状況との判断だったため、入ることは断念しました。このあたりはガイドの方がツアー客の安全を配慮して判断してくれます。

こちらは人が写っていないので、大きさは分かりづらいですが、バスケットボールコートくらいの大きさの穴ができており、その奥に氷の洞窟が広がっているとのことでした。行ってみたかったですが、一度入ると帰ってこれなくなるので、こちらも断念です。

私が参加した氷の洞窟ツアーでも十分に美しい青の氷の洞窟を見ることができましたが、その2日前にはもっと綺麗な青色をした氷の洞窟があったそうですが、こちらも氷が解ける勢いが激しく、見ることができなくなったそうです。

やはり一期一会の出会いということでした。だからこそ、もう一度見に来たくなるような場所でした。

氷の洞窟ツアーで起きた災難(忘れ物)

ここからは少しだけ余談を。この氷の洞窟ツアーを終えて、綺麗な写真を撮ることができ、満足した状態でレイキャビクに戻ってきた際に、一眼レフの交換式広角レンズがないことに気が付きました。単純に高価なものをなくしたというショックもありますが、それよりもアイスランドに来たもう一つの目的であるオーロラ鑑賞ツアーをこれから複数参加する予定でした。オーロラ撮影においては広角レンズは必須で、これ以外に明るいレンズも持っていなかったので、そちらの焦りの方が大きかったです。

最後に使ったのは氷の洞窟で、その後レンズを交換してからは一度も使ってません。急いで宿泊していたホステルのフロントの方にお願いして電話を借りてGuide to Icelandツアーの催行会社である「NiceTravel」に電話をしました。

英語が堪能ではなく、電話での会話なんてゼロの私にとって、電話でこの状況を伝えるのはめちゃめちゃハードでした。なんとか伝わったようで、調べてくれるとのことでした。

が、翌日もそのレンズのことが気になって観光する気分にもなれませんでした。するとNiceTravel社の事務所が歩いて30分ほどのところにあったので、行ってみることにしました。

勝手に行っていいのか分かりませんが(多分ダメ)、藁にもすがる思いで訪問しました。アイスランドのオフィスを訪れたことがないので、一般的なレベルが分かりませんが、おしゃれな家具や、インテリアが並べられており、相当きれいなオフィスになっていました。オフィスにはブロンドヘアーの美しいお姉さんが一人。

急に謎のアジア人が一人で現れたので、不審者と思われたかもしれません。お姉さんに再度経緯を説明したところ、氷の洞窟ツアーの管理会社などいろいろなところに問い合わせをしてくれました。

その結果、、、無事見つかりました。やはり氷の洞窟ツアーでスーパージープの中に忘れていたとのこと。ジープの揺れが激しすぎて気づかないうちに落ちてしまったのでしょう。

NiceTravelの別のグループがこの日も氷の洞窟ツアーに行っていたので、持って帰ってきてくれることになりました。無事この日の夜、宿泊していたホステルまで届けてくれました。

絶景とともに、アイスランドの人々の優しさに触れたそんな素敵な氷の洞窟ツアーでした。